インターネット広告が主流になっている今、店舗看板を作るメリットってあるのかな?
そんな疑問をお持ちの事業者もいるかもしれません。確かに店舗看板には、アナログで少し古いといったイメージがあります。
しかし、店舗看板は長く使用することで、店舗や商品・サービスの知名度を上げられる等のメリットがあります。
今回は、店舗看板のメリットと知っておきたいデメリットを詳しく解説します。
店舗看板とは
店舗看板とは、店名や商品・サービス、キャッチコピーなどを掲載して、通行人に対し広告を行う媒体物です。
良いサービスなどを提供していても、お店の存在が知られなければ売上げにはつながらないため、店舗看板の役割はとても重要です。
また、店舗看板に営業時間などを載せておくことで、通行した際には店舗に入れなかった人が別の機会に来店することも期待できます。
店舗看板の種類には、ファサード看板や突出し看板(袖看板)、スタンド看板などがあります。
ファサード看板は、店舗の入口付近の壁面に設置する看板です。お店の顔となり、通行者に店舗の入口であることを伝える大変重要な役割をします。
また、突出し看板は、店舗に対して垂直に取り付ける看板です。遠くの歩行者にもお店の存在をアピールできるため、集客効果を高められます。
そして、スタンド看板は、店頭に立てて置いておく看板です。手頃な価格で掲載情報を変更しやすいため、幅広い業種の店舗で活用されています。
店舗看板のメリット
不特定多数の人に訴求できる
店舗看板を設置することで、歩行者や車で通りかかる人など不特定多数の人にお店の存在を知ってもらうことができます。店舗のターゲットとする人に向けて、お店の情報やサービス内容を看板に掲載すれば、顧客が来店する機会を増やせるでしょう。
また、店舗が想定する顧客層以外の人にも、商品やサービスなどをアピールできるのは、店舗看板の大きなメリットといえます。実際、飲食店やアパレルショップなどは、街で店舗看板を見て、お店に入った経験がある方も少なくないかもしれません。
さらに、店舗看板の設置場所やデザインを工夫することで、より多くの集客につなげられるでしょう。
反復効果により人の記憶に残りやすい
店舗看板が通行者の目にとまる機会が増えると、「単純接触効果」により、店舗の存在が通行者の記憶に残りやすいといったメリットがあります。
単純接触効果とは、特定の人や物を繰り返し目にすることで、印象や評価が高まっていくとされる心の動きを表す言葉です。
単純接触効果は、テレビCMでもよく利用されています。CMで繰り返し見る商品には親しみがわき、コンビニなどで思わず買ってしまうということも珍しくないでしょう。
同様に、通勤や通学などで店舗看板を目にする頻度が特に高い人には、お店の存在を強くアピールできるので来店の可能性を高められるかもしれません。
長い期間使用できる
店舗看板は掲載内容やデザインを決めたり、取り付けの工事をしたりと完成までに時間がかかることもあります。しかし、一度完成すれば形として残るため、長い期間使用できるというメリットがあります。
新聞の広告などは基本的に1日限りですが、店舗看板は長期にわたり使用することで店舗の認知度を高めていくことができます。
さらに丈夫な素材を使ったり、定期的にメンテナンスをおこなったりすることで、より長い期間使用できるので集客効果を一層高められるでしょう。
広告費を抑えられる
テレビCMや新聞広告と比較すると、店舗看板はずっと安価で製作や取り付けができるため、広告費を抑えることができます。
テレビCMは制作費や放映料などで何百万円もの費用が必要になるといわれています。店舗の知名度を上げたいと考えても、広告費に多額の費用を負担するのはリスクが大きく、費用対効果の点でも現実的な戦略ではありません。特に新規オープンの店舗や、売上げ規模の小さい業種では広告費をできる限り抑える必要があるでしょう。
看板はサイズや取り付ける位置によって、製作費や設置費用が大きく異なります。業者に相談すれば、より安価に設置でき、広告費をさらに抑えることも可能です。
店舗看板のデメリット
店舗看板には上記のようなメリットがある一方で、デメリットもあります。
店舗看板の製作等を依頼する前におさえておきたい、4つのデメリットをお伝えします。
伝えられる情報量が少ない
店舗看板の広告は、看板の面積分となるため、伝えられる情報がかなり限られてしまいます。車やバイクを運転している人にも認識してもらうためには、看板に載せる情報を厳選して一瞬でわかる内容にする必要があります。
色やデザインを工夫することで、視認性を高められる場合もあるでしょう。ただ、シンプルな情報しか伝えられないので、店名や商品・サービスを知ってもらうなど目的を絞った方が良いかもしれません。
予算に余裕がある場合は、数種類の看板を高さの違う場所に設置することで、様々な人の目にふれる機会を増やすことができます。店舗等の認知度の向上に有効でしょう。
看板の種類によって許可が必要になる
店舗看板を設置すると、落下等により通行人に危険が及ぶおそれがあるため、看板の種類によっては法律や条例で行政機関の許可が必要になる場合があります。
許可を取らずに看板の落下等により通行人に被害が出た場合、看板を設置した業者ではなく、設置を依頼した事業者に法律上の責任が問われる可能性もあるため注意が必要です。
店舗看板の製作を依頼する場合は、許可が必要なことを念頭におき、早い段階で業者等に相談しましょう。
また、街の良好な景観を保つといった観点からも許可が必要とされています。店舗看板は、人の注意をひくために大きくしたり、色使いを派手にしたりしがちですが、秩序を乱さないように法律や条例で厳しく規制されています。
さらに、街の景観を保持するため、地域一帯で派手な色使いの看板を設置することを禁止しているケースもあります。
店舗看板の製作等を依頼する場合は、法令をしっかりと確認しましょう。
効果が分かりにくい
店舗看板は、見ている人の数や、見た人がどれくらい来店したのかなどが分かりにくいといったデメリットがあります。
インターネット広告のように、アクセス数やアクセスした人の属性などが把握できないため、集客のための効果的な戦略が立てにくいかもしれません。
一般的には、店舗看板を設置する前と設置した後での売上げを比較して、効果を測定するケースが多いようです。他の方法としては、来店の際に「看板を見て来た」と申告してくれた人に対して、割引や特典などのサービスを用意して受注の数を記録する方法も考えられます。
業種や店舗の特徴に合わせて、効果を計測できるシステムを導入しましょう。
メンテナンスの費用がかかる
店舗看板は、屋外の壁面などに設置するため、雨や風の影響を受けやすく長年使用すると劣化します。そのため、看板のフレームを取り替えたり、照明を交換したりなどのメンテナンスが必要になり費用がかかります。
看板を劣化した状態で放置しておくと、店舗のイメージダウンにつながることも考えられます。清潔感が求められる飲食店などでは、店舗の売上げに影響する場合もあるかもしれません。
また、店舗看板が古びてくれば、落下などの危険性が増します。通行者の安全のためにも定期的に点検し、メンテナンスを行う必要があります。
看板枠には腐食しにくいとされるアルミの素材を使用したり、内照式の壁面看板は省エネ効果のあるLED電球にしたりすることで、メンテナンスの手間や費用負担を小さくすることができます。
まとめ
今回は、店舗看板のメリットとデメリットを解説しました。
メリットは不特定多数の人に訴求でき、店舗等の認知度を上げられることや、広告費を安く抑えられることなどです。
一方で、載せられる情報量が限られ、効果をはかりにくいといったデメリットがあります。
店舗看板はデザインや設置場所を工夫することで、集客効果をより高めることも可能です。
設置する場合は、法令を確認して、安全面等の配慮をしっかりと行いましょう。