銘板といえば何を思い浮かべるでしょうか?
企業の社名の刻まれた会社銘板やお店の看板などを思い浮かべる方も多いと思います。
実際に外出先でお気に入りのコーヒーショップの看板を見つけてちょっと休憩ということも。
銘板は情報の発信という大きな役割を持っており、企業や店にとっての顔なのです。
銘板とは?
銘板とは平板に銘や柄などを表示したもので、日本産業規格 「JIS Z 8304 銘板の設計基準」 では必要事項を容易に消えない方法で表示したものという定義があります。
具体的には会社名や製品名などを彫り込んだ製品です。
種類やサイズも豊富な銘板は、ビルの入り口に大きく掲げられたものから個人宅にある製品の銘板プレートに至るまで用途も様々です。
代表的なものとしては街中の会社銘板や店舗で使用している看板でしょうか。
また屋外に設置するためには日光や雨などに耐えうる「耐候性」を必要としますが、銘板は屋内はもとより屋外に設置できるタイプが数多くあります。
他にも銘板シールなどのように簡易的で比較的安価に使用できるうえに、製品のブランド力を高め競合製品との差別化が期待できる銘板もあります。
このように銘板は私たちの生活の至るところで利用されているのです。
銘板の種類や特徴を紹介
銘板は板の材質や文字の表示、製作方法により特徴が異なっています。
代表的な銘板は以下の通りです。
・エッチング銘板
・アクリル銘板
・鋳物銘板
エッチング銘板
屋外で直射日光や風雨にさらされ温度変化の大きい環境では、金属製の銘板を利用することが一般的です。
ステンレス、アルミニウム、真鍮、銅などの金属板を用いた銘板の代表的なものとしてエッチング銘板が挙げられます。
エッチング銘板とは、銅版画で使用される腐食(エッチング)を利用した銘板を指します。
金属の表面に薬品処理を施し、腐食してできる凹部に塗料を入れて文字や線・図柄を表すのです。
エッチングを用いた銘板の特徴としては、耐候性の高さとスタイリッシュなデザイン性があります。
大小の文字や複雑な絵柄にも対応できるため企業の社名銘板や建物の案内板、公共施設など多くの場所で使用されています。
カラフルでグラデーションのあるデザインには向いていませんが、耐候性に優れ重量感もある非常に使いやすい銘板です。
エッチング銘板に使用する金属製の平板は耐候性に優れたものが多いですが、定期的に汚れを取るなどのメンテナンスをすることで、長期間にわたり美しい状態を維持できます。
金属研磨剤や溶剤などは使用せずに優しく拭き取るなどで十分です。
塩害地や酸性雨の多い地域ではメンテナンスが必要なので注意しましょう。
アクリル銘板
屋内や屋外で使用する際は温度差の少ない環境に設置されることが多いアクリル銘板。
アクリル銘板は透明アクリルの裏側に文字や柄を表示する銘板です。
アクリルは耐候性や透明性に優れており、高電圧にも耐えられるほど絶縁性が高いという特徴があります。
特に高い透明性を持つアクリルの光線透過率は93%とプラスチックの中で最も透明性が高く、ガラスより光線透過率が優れているのです。
アクリル板の裏側に文字を彫り込む裏彫りで制作されるアクリル銘板は、表面を滑らかなアクリル樹脂で保護することで耐久性や耐摩擦性、耐溶剤性、耐薬品性などにも優れた銘板になります。
絶縁性を活かしたアクリル銘板の利用法としては配電盤・分電盤・制御盤・電気通信機器・工業機械などです。
また素材自体をカットして使用する切文字や印刷シート、シルクスクリーン印刷などの表示方法を使うことでデザイン性も高まるため、看板としての使用にも適しています。
繊細な印象のアクリル製の看板は近代的な街並みにもよく合い、女性や若い世代にも馴染みやすいものです。
耐久年数はどのくらい紫外線にさらされるかで変わります。
メンテナンスとしてはアクリル銘板が汚れた時は強くこすったり、シンナーやアルコールなどの溶剤を使用したりせずに、水洗いして柔らかい布で優しく拭き取るようにしてください。
鋳物銘板
鋳物銘板は高温で溶かした真鍮を型に流し込み、冷やし固めて製造します。
一番の特徴は真鍮の持つ重厚感と高級感にあふれた佇まいでしょう。
鋳物銘板は橋梁や会社銘板だけでなく看板高級住宅や大型マンションの銘板や、各種商業施設などにもピッタリとマッチします。
建物の定礎に使われることも多く、歳月を重ねるほど深みを増す味わいのある銘板です。
経年により銅が緑青色に錆びることで鋳物銘板は表情を変えます。
真鍮の表面が酸化することでそれが被膜となり、内部が腐敗から守られることで鋳物銘板は不朽性を持つのです。
ただし塩害地や酸性雨の多い地域ではメンテナンスが必要なので注意が必要でしょう。
銘板の役割について
銘板は情報発信の媒体という大きな役割を担っています。
企業名や店舗名の表示、ビルや施設の案内板、電気や工業製品の製造者や型式などの情報を記すなど、私たちの生活に密接に関係しているのです。
企業や店舗における銘板の役割としてあげられるのは、来客の誘導や企業イメージの発信。
特に店舗で使用する銘板は直接的に企業イメージを左右するもので、利用客に店の存在を知らせる広告的働きも担います。
まさに銘板は企業や店舗の顔といって差し支えのない役割を果たすのです。
ビルなどの建造物に使用される場合は、建物外観と一体でデザインすることでエクステリアの一部として建造物のブランドイメージをアップすることも可能でしょう。
ビルや公共施設、公園などの案内板として使用される際は、利用者が見やすいデザインであるとともに、細かい記載が可能で耐候性にも優れていることが重要になります。
例えば公共性の高い施設の場合は災害時に避難場所となる可能性があり、劣化しにくく必要な情報が見やすい銘板は必要不可欠なのです。
近年、様々な言語で記された銘板が増えてきたことも、銘板の持つ公共性の高さを表しているといえるでしょう。
また製品につける際は名称や仕様・管理番号などを記述し、製品を管理するうえで役割を果たしているのです。
絶縁性を必要とする電気機器に取り付けるアクリル銘板の他にも、機械製品に取り付けるステンレスやアルミで作成された機械銘板も、製品の安全な点検・保守管理のためには欠かせないものとなっています。
また各種銘板を設置するにあたり気をつけることは、「安全性」・「視認性」・「保安」の3つです。
1.安全性・・・銘板や設置器具が経年劣化した場合には速やかな対応が必要です。
2.視認性・・・日没などで周囲が暗くなった際に、視認性の低下への対策が必要な場合もあります。
3.保安性・・・材質によっては盗難などトラブルの可能性があるので対策が必要な場合もあります。
種類も使い方も多種多様な板金でイメージアップ!
今回は銘板とは何かや銘板の種類や特徴、役割などについてお伝えしました。
銘板は私たちの生活に無くてはならないものであると同時に、企業などの発信者にとっては伝えたいイメージや情報が直接伝えられる優れた情報媒体になります。
企業や製品のブランドイメージを向上させる重要なツールとして積極的に活用していきたいものです。
また小ロット、低価格な種類の銘板もあり更に使用用途が広がっています。
ビジネスやプライベート、様々な場面にピッタリの銘板が見つかるのではないでしょうか。
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